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銀行に転職するメリットとデメリット

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新卒で銀行(メガバンク)に就職して6年目の銀行員です。
銀行で働くメリットやデメリットについて現役銀行員の目線で解説します。「銀行への転職」や「金融機関への転職」を考えている人などの参考になれば幸いです。

主に法人営業をイメージして解説します。

窓口業務については触れていません。

銀行員になるメリット

銀行員は給料が高い

何と言っても給料が高いです。

東京商工リサーチの調査によると、国内銀行79行の2020年3月期の平均年間給与(基本給与+賞与・基準外賃金)は608万8000円

  • 大手銀行 762万5000円
  • 地方銀行 621万4000円

一般職と総合職を合わせた平均がこの水準です。

総合職に絞るともっと高くなります。

私が勤めているメガバンクの総合職は、同期の3割くらいが30歳で年収1000万円に到達します。

銀行員は世間体が良い

あくまで私の経験ですが「銀行に勤めている」と言ってマイナスに働いたことはありません。

ニュースでも銀行員が犯罪を犯すと「銀行員」なのに、という見せ方をマスコミがしますよね。

公務員などと同様に銀行員というだけで「それなりにしっかりしている人」という見られ方をします。

未だに勤めている会社が微妙で結婚を反対されることってまぁまぁあることだと思いますが、「銀行」に勤めていて反対されることはまずありません。

銀行員は簿記やFPなど様々な資格が取れる

銀行員は業務上資格を取得する必要があります。

銀行員が取得する資格には以下のようなものがあります。

取らなければいけない資格、取ることを推奨されている資格が混ざっているのはご容赦ください。

銀行員が取得する資格
  • 証券外務員1種・2種
  • 生命保険募集人
  • 損害保険募集人
  • 内部管理責任者
  • FP
  • 簿記
  • 証券アナリスト
  • 中小企業診断士
  • TOEIC
  • 宅建

資格取得のための研修や教材、外部の資格学校の補助金制度などが充実しているのも銀行の特徴です。

難易度が高い資格の場合は、取得できた場合に「奨励金」が支払われる銀行もあります。

とにかく、専門性を高めるために非常に良い環境が整っています。

銀行員は1年目から取引先を単独で担当し、社長に会える

銀行で働くメリットの一つに、「社長に会える」ことが挙げられます。

新卒1年目からOJTが終わると中小企業を担当させられます。

基本的に窓口になるのは財務部の部長クラスや社長です。

社長に会えることの何がいいの?という意見もあるかと思いますが、個人的には以下のようなメリットがあると考えます。

社長に会うことのメリット
  • 成功者の考え方に触れることができる
  • 経営者の目線を持つことができる

どんなに小さい会社の社長でも、従業員やその家族のために「強い思い」を持って働いています。

そんな社長と本気でぶつかって意見を交換し、経営のサポートができるのが銀行員です。

それを20代前半からできるのは本当に貴重な経験になります。

銀行員は経営や財務の知識がつく

融資業務を通じて、「決算書」「税務申告書」を読む力がつきます。

それらから会社を色々な角度から分析し、会社の問題点はどこにあるのかを考えます。

人件費が高ければ役員報酬のカット、売上が芳しくない事業は売却、シナジーのある会社の買収、為替リスクへの対応ができていない場合はリスクヘッジのデリバティブ提案などなど。

経営者の目線で「会社が永続的に成長するために何が必要なのか?」について徹底的に考えます。

「融資業務」というのはあくまでソリューションの一つであり、銀行が提供するものは幅広いです。

銀行の業務は関わることがないと理解しづらいですが、想像より多くのことをしているのが実態です。

銀行員は色々な業界の知識を学ぶことができる

銀行員は、色々な業界の取引先を担当することになります。

業界の専門知識やトレンドなどにキャッチアップする必要があります。

自動車業界であれば「MaaS」「EV」「自動運転技術」などがトレンドですよね。

逆にいうと、興味がない業界についても詳しくなる必要があります。僕は、「水処理施設のメンテナンス業者」「航空部品の専門商社」などを担当したことがありますが本当に苦労しました。関心がわかないので頭に全然入ってきません。「取引先のために頑張ろう」というモチベーションでなんとか頑張りました。

銀行員になるデメリット

銀行員は転勤が多い

2年〜4年くらいのスパンで転勤をするのが銀行員です。

取引先との癒着を防ぐ意味もあるそうです。

年に4回ほど大きな異動があり、発令日に行き先を部長や支店長から伝達されます。

それまでは基本的にどこに行くのかさっぱりわからない、教えてくれないのがつらいです。

海外の場合は、事前に打診されることもあります。

次の希望部署などは、定期的な人事面談でアピールすることができますが、基本的にはどこに行くのかわかりません。

自分の行きたい部署に行くために、行きたい部署で求められるスキルを磨く必要があります。

例えば、事業承継のサポート部署に行きたいのであればFP1級を取得したり、オーナー企業を担当できるように支店長に打診するなど。

自分のキャリアは自分で掴み取る時代に銀行も変わってきています。「どこでもいいです」が評価される時代は終わったと実感することが多いです。

銀行にはパワハラ上司がいる

どこの会社もそうですが、銀行にもパワハラな上司がたくさんいます。

ただ、コンプラが厳しくなっているので、そういうパワハラ上司は左遷されやすくなっている傾向にあります。

ノルマを達成しているときは基本的に何も言われませんが、ノルマが未達だと本部の営業店を取りまとめている管理部署から厳しく詰められます。

管理部署→支店長、部長→副支店長、課長→担当

このような流れで「ノルマへの詰め」が落ちてきます。

銀行員は常に勉強しなければいけない

すでに感じていらっしゃるかもしれませんが、銀行員は勉強することが多いです。

毎日新聞は読みます。資格の勉強もあります。

手続きも煩雑です。融資のスキームも幅広い。

とにかく、毎日何かしらを頭に叩き込みます。

向上心や好奇心が強くないとなかなかやっていけない環境です。

逆にいうと、新しい知識をつけることに快感を覚えるような人にとっては最高の職業だと思います。

銀行員の将来性は微妙

銀行の業務はどんどんAIやロボットに代替されています。

銀行業務のスリム化
  • ネットバンキングの普及
  • OCR、AIによる伝票の自動読み取り
  • 与信判断はAI

このように今後も銀行業務における「人手」がかかる業務は年々減っていきます。

大手銀行を中心に、店舗の閉鎖、人員の削減などが進んできていることからも想像に難くないでしょう。

ただ、「銀行」は無くならないでしょう。

銀行員の業務は今よりもっと専門性が高くなると思います。

「無駄な作業はロボットに」、「重要な業務を人に」というシフトが起きてきます。

顧客への交渉や、AIが分析したデータをどう活用するかは「人が実行する」必要があります。

また、銀行の業務の幅が今以上に広がると考えています。銀行を取り巻く規制も時代とともに変化し、事業会社への投資や人材派遣なども進むかもしれません。

メルカリやラインなどもそうですが、「金融」は儲かるため、他業種がこぞって参入してこようとする領域です。

銀行サイドからの仕掛けも今後は進んで行くことでしょう。

そう言った意味で、金融業界で働いている経験を持つというのは貴重だと考えます。