大手企業とベンチャー企業どっちに就職するのが正解なのでしょうか?僕は銀行員として、大手企業もベンチャー企業もたくさん担当してきました。
外部からではありますが、銀行員という立場で色々な企業を見てきました。
数多くの企業を担当することで気づいたことを披露します。
大手企業で働くメリット
財務基盤が安定している
「安定している」という言葉はよく聞きますが、具体的に安定しているとは何を指すのでしょうか?
僕が考える大企業の安定とは、
財務基盤が磐石である。
ということだと思います。
働く対価として給料を得ることが労働です。
その原資は、会社の利益から生み出されます。
ただ、会社の利益は変動するものです。
コロナのようなことがあると赤字になるかもしれません。
そんな時、財務基盤がしっかりしているかどうかが重要になってきます。
「貸借対照表」がしっかりしている企業は業績の変動があっても簡単に潰れることはありません。
大企業の場合は、過去の利益の積み重ねが資産となっているため、安定していると言えます。給料も払われ続けます。
子会社への出向などセカンドキャリアも安泰
大企業にいると出向というものがあります。
銀行員は、50歳が定年と言われています。
どういうことかというと、50歳を超えて役員になれる見込みがない人は、関係会社や取引先に出向するのです。
これは銀行に限らず大企業であればあるあるです。
大企業でそれなりのポジションにいれば、出向先で「楽なポジション」でそれなりの待遇で働き続けることができます。
ただ、この出向制度はいつまで続くかはわかりません。
そして、出向先でからなず楽ができるかと言えばそうとも言い切れないです。文化や仕事内容が違いすぎるギャップに耐えきれず辞めてしまう人もたくさんいるのが事実です。
なんだかんだ給料や待遇が良い
統計上、大企業の方が年収が多いです。
給料だけでなく、
- 手当
- 教育面
- 労働時間
- 退職金の有無
- 年金制度
などなど複合的に比べて判断しましょう。
規模の大きい仕事ができる
社会的にインパクトが大きい仕事に関わることが多いです。
メガバンクで勤める僕の場合は、まだ5年目の若手ですが上場企業を担当しています。数十億のファイナンスの経験をすることができます。
日本の経済を支える大企業の命運を分けるようなファイナンスの経験をできるのはやりがいがあります。
もちろん、それに伴って専門性が求められます。
「案件の規模」だけでいうと大企業の方が大きいでしょう。
大手企業で働いていた経験が強みになる
ビジネスマンとしての経験も豊富だった大学の教授に就職相談をしたときに言われたことがあります。
ファーストキャリアは、採用されづらい大手大企業を強くオススメする。新卒は貴重。ベンチャー企業は正直、転職しようと思ったら転職できる。ただし、大企業には簡単に転職することができない。大企業で働いていたという「事実」が転職が当たり前になった時代でこそ強く効いてくる。
「なるほど」と思いました。
よほどベンチャー企業に勤める強い意志や今後のビジョンがない限りは、大企業に就職することをお勧めします。
世間で有名になっている人の中には「成り上がり」の人もいますが、そんな人は珍しいです。一握りです。
もともとずば抜けた才能があったと考えた方がいいです。
僕の友人にも新卒でベンチャーに務めたはいいものの、転職しようとしたときに、なかなか就職先が決まらず苦労していた人がいました。逆に大手に新卒で就職した人は、最初の転職はスムーズに決まっていました。
大手企業で働くデメリット
意思決定が遅い
大企業はスピード感が本当に遅いです。
普段、僕は銀行員として、取引先の経営陣に財務のみならずM&Aなど経営戦略にかかる提案をすることも多いです。
そんな中で強く思うのは、総じて「意思決定が遅い」ということです。
転勤・異動が多い
大手企業ともなると全国、世界に事務所を構えていることが多いです。
数年間で転勤があるため、プライベートを考えると支障があるかもしれません。
ベンチャーで働くメリット
若くして部下を持てる
銀行員として担当先のベンチャー企業をみると若くして役職がついて部下を抱えてる人が多いです。
もちろん、選手層が薄いとも言えますが、若くして「マネジメント経験」を積むことはかなり貴重な経験になります。
マネジメントスキルも高くなりますし、どこか「どっしり感」がつきます。
将来、起業などを考えているような人にとっては重要なマネジメントスキルを早い段階で学べるのでお勧めです。
経営者に近いポジションで仕事をできるのは貴重な経験ですよね。
視座も高まります。
裁量権が大きい
若くして部下を持てることに通じる部分です。
権利が大きいということは、その分「責任」も大きいです。
裁量がある代わりに、アウトプットが求められます。
人数が少ないため、「若手にも任せざるを得ない」という見方もできます。
能力が低い人に大きな裁量を任せるような企業ははっきりいって伸びません。
銀行の立場で多くのベンチャーを見てきましたが、伸びるメンバーはボードメンバー(経営陣)が非常に優秀です。
成果が反映されやすい
結果を出すと、すぐに給料に反映されることが多いです。
結果を出せばその分の対価をもらえる給料体系であることが多いため、モチベーションは維持しやすいかもしれません。
昇進、昇格のスピードも旧来型の大手企業では考えられないスピードであることが大半です。
しかし、実力や成果がないと全く評価されずに「切られてしまう」というシビアな部分もあります。
ベンチャーで働くデメリット
財務基盤が弱い
ベンチャーは売上が大きく変動します。
創業したばかりだと財務基盤が薄いです。
給料が良くても、企業の業績次第で「減給、ボーナスカット」は当たり前です。
「働き続ける」という考えで入社するのは危険だと思います。
リストラはよくある話です。
買収されて大手の傘下に急に入ることもある
ベンチャー企業は大手企業よりも、M&Aが活発です。
IPOも目指すのがベンチャー企業の王道ですが、
IPOまで達成できるベンチャーは本当に一握りです。
そこでベンチャー企業は、IPOの代わりに「M&Aの売り」を検討します。
いや、正確には常に選択肢の一つとして考えています。
通常の経営者なら。
自分の立ち上げた企業が「中長期的に成長するためには?」ということを考えた結果、シナジーの高い大手の資本を受け入れることも多いです。
そうなるとベンチャー特有の自由さは薄くなります。
人材が送り込まれて、企業文化も変わってしまうこともあります。
そして、残念ながらM&Aはうまくいかないことが多いです。
ベンチャーで働くのであれば、「M&Aで他の企業の傘下に入る」リスクが高いことも意識する必要があります。
社会的信用は低い
ベンチャー企業で働くデメリットとしては、世間からの信用は薄いです。
例えば、住宅ローンが組みづらかったり、金利が高くなったりとか。
両親などからは「大丈夫?」と不安に思われることもあるでしょう。
彼女や、婚約相手の親からも「大丈夫かな?」と不安に思われるかもしれません。
ベンチャー企業に対する「世間の見方」は徐々に変わってきていると思いますが、残念ながらそういった面はまだ残っているのが実情です。
コンプライアンスが弱い
大企業と比べるとコンプライアンスに対する意識は「低い」です。
成長期にある会社は、まだコンプライアンスに力を入れている場合ではないですからね。
上場企業の場合は、コーポレートガバナンスコードがありますので、内部体制はそれなりにしっかりとしています。
一方で、ベンチャー企業は労働環境や、パワハラなど対策がしっかりと整備されていないことが多いです。
大事なのは「自分は何を大事にしているのか?」をはっきりさせること
- 年収
- スキルアップ
- 安定
- 世間体
残念ながら「転職」をして後悔する人も世の中には多くいます。
インフルエンサーやフリーランスでうまくいっている人に影響を受けて「行動」して見たものの思ったように行かずに後悔している人が本当に多くいます。
大事なのは、自分の大切にしている軸が何なのかをはっきりさせることです。
市場価値の高い人間とは?
結局、大手とベンチャーどっちが良いのかというと、「答え」はありません。
個人個人の考え方、将来のビジョンによって異なります。
ただし、自分の今の状況を把握することは重要です。
- 専門性の高さ
- 業界の成長性
まずは、この2軸で自己分析しましょう。
専門性も業界の成長性も低いは「要らない」
- 専門性が低い
- 業界の成長性が低い
これに該当する仕事は、「超危険」です。
いますぐ危機感を持ったほうが良いです。
割と近い将来、「不要」になる仕事です。
専門性が高い、業界の成長性が低いは「危険」
- 専門性が高い
- 業界の成長は低い
これに該当する仕事は、「危険」です。
すぐには無くならないものの、中長期的に「不要になる」仕事です。
専門性が高いため今はなんとか食べていける仕事ですが、業界が成長していないとマーケット全体が縮小していきます。
専門性が高く、業界の成長性も高い
- 専門性が高い
- 業界の成長性も高い
これに該当する仕事を目指しましょう。
必ず年収が上がります。
データサイエンティストや、人工知能を扱えるエンジニア、プログラマーなどが該当します。
専門性が低い、業界の成長性は高い
- 専門性が低い
- 業界の成長性は高い
迷っている人は、ここをまず目指しましょう。
専門性がなくても良いので、誰でも狙えるポジションです。
業界的にぐんぐん成長している企業を選びましょう。
まず、ここの象限にポジショニングしてから、専門性を高めてゴールを目指しましょう。
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