怪しい投資信託を売りつけられた!!なんていう話はよく耳にします。現役メガバンカーの僕がわかりやすく投資信託のリスクについて解説します。「怪しい」「リスクが大きい」と思われがちな投資信託ですが、実は投資信託は投資対象として魅力が多いです。利益が出ていないのに分配をしてあたかも「利益」を出しているように思わせる怪しい投資信託の数は減っています。投資信託のリスクを正しく理解して投資を始めましょう。
これだけは押さえておきたい投資信託の5つのリスク
投資信託は株式や債券など値動きのある商品に投資しますので基準価額が変動します。
価格変動リスク
投資信託に組み入れられている株式や債券の価格が変動する可能性のことです。
一般的に、以下の要因で株価や債権の価格が変動します。
- 企業の業績
- 景気動向
- 政治情勢
金利変動リスク
金利の変動により債券価格が変動する可能性のことです。
- 金利が上がると債権価格は下がります。
- 金利が下がると債権価格は上がります。
なぜ、このような関係になっているか理解できますか?
債権というのは、発行するときに「金利」が決まっています。
「A債権は、元本100円で5年後の満期まで持てば5%金利がつきます」というように。
では、数ヶ月後にB債権が「元本100円で5年後の満期まで持てば10%金利がつきます。」という条件で発売されたらA債権の魅力ってどうなりますか?
A債権の魅力は薄くなりますよね?
したがって、市場に出回っているA債権の価格は100円から下がるのです。
これが金利と債権価格の関係になります。
金利が上がったら、既存の債権の魅力が下がるから債権価格が減少すると覚えると記憶に定着しやすいですよ。
為替変動リスク
為替レートの変動により資産価値が変動する可能性のことです。
一般的に、円高になると投資信託の基準価額にマイナスの影響があります。
逆に、円安になると基準価額にプラスの影響があります。
これはなぜか分かりますか?
1ドル100円の時に、海外のA社株式を1ドルで買ったとします。
数ヶ月後にA社株を売却しようとします。
その時、仮にA社株が1ドルで購入時と変わらなかったとします。
その時の為替相場が1ドル95円(円高)になっていたら、5円損しますよね。
これが円高がマイナスの影響を持っている理由です。
このリスクをヘッジ(回避)することを「為替ヘッジ」と言います。
- 為替ヘッジあり
- 為替ヘッジなし
上記を選択する商品があります。
「為替ヘッジあり」を選択すると為替変動による価格変動をなくすことができます。
しかし、ヘッジするためにデリバティブを組んでいるためコストがかかります。
信用リスク・カントリーリスク
発行体の財政難⋅経営不振などにより債務不履行になる可能性のことです。
発行体の信用力の変化で対象資産の価格が変動します。
一般的に、信用度が下がると価格は下がります。
発行体は、国や企業です。
株式であれば、企業が破綻すれば出資したお金は返ってこないかもしれません。
国の債権であれば、国が破綻したら、投資したお金は返ってきません。
発行体の信用力を見える化したものが「格付」と呼ばれているものです。
格付が高ければ信用力が高い(破綻する可能性が低い)ため、金利が低くなります。
国が破綻することなんてあるの??って思う人もいると思いますが、実際に1998年にロシア、2002年にアルゼンチンで起こりました。これを理解するには、ハイパーインフレというワードを理解する必要があります。今回は割愛しますので、気になる方は調べて見てください。
流動性リスク
取引量や市場の活況度により取引の価格が影響を受ける可能性のことです。
取引高が少ない(流動性が低い)と、必要な時に換金できなかったり、思うような価格で売れなくなったりします。
市場価格は「需要」と「供給」で決まります。
そもそも、市場の参加者がいなかったらどうなるでしょうか?
どうしても、A社の株式を500株売りたい人がいます。
1000円で売ろうとしても、買い手がいなかったら900円で売ろうとします。
さらにいなければ800円に下げます。
このように、そもそも市場参加者が少ないと「買いたい人」も少なくなるため価格が変動しやすいのです。
2006年〜2007年に「ベトナム株ブーム」がありました。
小さなベトナム市場に資金が集中した結果、株価が一気に5倍以上になり、1000億円程度だった時価総額が、2年以内に2兆円までに膨れ上がりました。
市場参加者が少ないところに大きな資金が集まるとこういう事態が起こりやすいのです。
仮想通貨バブルも「流動性リスク」が大きく影響していたと言えますね。
投資信託で投資デビューしてみよう
投資信託のリスクを理解したでしょうか?
投資信託に限らず、投資をする上でこの記事で紹介したリスクを理解することは非常に重要です。
何度も読み直して、理解を深めましょう。
以下は、LINEポイントやTポイントを使って投資ができる証券会社の紹介記事になります。
初心者の方にオススメなのでぜひ合わせてご覧ください♬