「WealthNavi(ウェルスナビ)で利益が出てきたから、一度出金してみたい」
「急な出費で、ウェルスナビから現金を引き出す必要がある」
全自動で資産運用をしてくれる便利なロボアドバイザー「ウェルスナビ」。順調に資産が増えてくると、次なるステップとして「出金」を考え始める方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ出金しようとすると、「手数料はかかるの?」「税金はどうなる?」「何か損することはない?」といった疑問や不安が次々と湧いてくるものです。
本記事では、ウェルスナビの出金を検討しているすべての方に向けて、具体的な出金手順から、知っておくべき注意点、手数料、税金の仕組みまで、最新情報(2025年8月時点)を網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたはウェルスナビの出金に関するあらゆる疑問を解消し、安心して手続きを進められるようになるでしょう。
第1章:ウェルスナビの出金方法は2種類!基本的な手順を解説
まず、ウェルスナビの出金には「一部出金」と「全額出金」の2つの方法があることを理解しておきましょう。
- 一部出金(金額を指定して出金): 運用を続けながら、必要な金額だけを出金する方法です。1万円以上1円単位で指定できます。
- 全額出金: 運用を完全に停止し、預けている資産のすべてを出金する方法です。全額出金を行うと、運用は終了となります。
多くの場合、「一部出金」を選択することになるでしょう。ここでは、スマートフォンアプリを使った一般的な「一部出金」の手順を解説します。
【スマホアプリでの出金手順】
- ウェルスナビのアプリにログインし、下部メニューの「その他」をタップします。
- メニュー一覧から「出金」を選択します。
- 出金したい金額を入力します。
- 全額出金したい場合は、「全額出金する」のリンクをタップします。
- 出金額を確認し、「確認」をタップします。
- この画面で、出金後のポートフォリオ(資産の組み合わせ)のシミュレーションも確認できます。
- 最終確認画面で内容を確認し、「出金を申し込む」をタップすれば完了です。
手続き自体は非常にシンプルで、数分もあれば完了します。
注意:出金依頼から振込までにかかる日数は?
出金依頼が完了しても、すぐに銀行口座にお金が振り込まれるわけではありません。
ウェルスナビでは、出金依頼を受けると、運用しているETF(上場投資信託)を売却して現金化するプロセスが発生します。そのため、出金依頼から実際の振込までには、原則として3営業日かかります。
さらに、日本の祝日や米国市場の休場日を挟む場合は、4営業日以上かかることもあります。年末年始やゴールデンウィークなど、連休前に出金を検討する場合は、スケジュールに余裕を持つようにしましょう。
第2章:【最重要】ウェルスナビ出金時の7つの注意点
手軽に出金手続きができるウェルスナビですが、いくつか知っておくべき重要な注意点があります。後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、必ず確認しておきましょう。
注意点1:すぐには出金できない
前述の通り、出金には原則3営業日かかります。「明日までにお金が必要!」といった急な要望には応えられないため、資金が必要になるタイミングが分かっている場合は、最低でも1週間前には手続きを済ませておくと安心です。
注意点2:出金依頼時の評価額と実際の入金額は異なる
これは非常に重要なポイントです。出金を依頼した瞬間の評価額が、そのまま振り込まれるわけではありません。
出金依頼後、ウェルスナビがあなたの資産(ETF)を市場で売却します。実際に振り込まれるのは、この売却が成立した時点での価格です。株価が常に変動しているように、ETFの価格も変動します。そのため、出金を依頼してから売却が完了するまでの間に価格が下落すると、想定していたよりも受け取る金額が少なくなる可能性があります。
注意点3:利益が出ている場合、約20%の税金がかかる
運用によって得た利益(譲渡益)には、20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税金がかかります。出金する金額全体に課税されるのではなく、あくまで「利益部分」に対してのみです。税金の詳細については、第3章で詳しく解説します。
注意点4:出金手数料は無料だが、全額出金には当月分の手数料がかかる
ウェルスナビでは、出金時の手数料は無料です。これは大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、「全額出金」する場合に限り、その月の運用手数料(預かり資産の1%(税込1.1%)の月割額)が出金額から差し引かれます。一部出金の場合は、この手数料はかかりません。
注意点5:「長期割」がリセットされる
ウェルスナビには、長く続けるほど手数料が割引される「長期割」という仕組みがあります。運用額に応じて、6ヶ月ごとに手数料が段階的に割引され、最大で0.90%(税込0.99%)まで下がります。
しかし、一度でも出金を行うと、この長期割の継続期間がリセットされてしまいます。
割引がリセットされた後でも、再度「出金せず、かつ資産評価額が50万円以上」という条件を満たせば、再び長期割はスタートしますが、また最初の割引率からの再スタートとなります。長期的な資産形成を目指している方にとっては、無視できないデメリットと言えるでしょう。
(注:WealthNavi for 〇〇といった提携サービスをご利用の場合、長期割の対象外となります。)
注意点6:出金先の振込口座は変更できる?
出金した資金は、ウェルスナビに登録している「出金時振込先口座」に振り込まれます。この口座を変更したい場合は、アプリやウェブサイトから手続きが可能です。ただし、セキュリティの観点から、変更手続きには数日かかる場合がありますので、出金依頼の前に済ませておきましょう。
注意点7:安易な出金は機会損失に繋がる可能性も
もし出金の理由が「なんとなく相場が不安だから」といった漠然としたものであれば、一度立ち止まって考えることをお勧めします。
ウェルスナビが推奨しているのは、長期的な視点での「長期・積立・分散」投資です。市場は短期的に上下を繰り返しますが、長期的に見れば世界経済の成長とともに資産も成長していくことが期待されます。
短期的な価格変動に一喜一憂して出金してしまうと、その後の価格上昇の恩恵を受けられなくなる「機会損失」に繋がる可能性があります。
第3章:知らないと損!ウェルスナビの出金にかかる税金の話
投資で利益が出たときに、避けて通れないのが税金の話です。ウェルスナビでの出金も例外ではありません。しかし、口座の種類によって手続きが大きく異なるため、ご自身がどの口座を利用しているか必ず確認しましょう。
「特定口座(源泉徴収あり)」なら確定申告は原則不要
ウェルスナビで口座開設をする際、ほとんどの方がこの「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しているはずです。
この口座の最大のメリットは、利益にかかる税金をウェルスナビが自動で計算し、源泉徴収(天引き)して納税まで済ませてくれる点です。そのため、利用者自身が確定申告を行う必要は原則ありません。出金時に利益が出ていれば、税金が引かれた後の金額が振り込まれます。
「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の場合は確定申告が必要
もしこれらの口座を選択している場合は、注意が必要です。ウェルスナビは税金の計算まで(年間取引報告書の作成)は行ってくれますが、納税はしてくれません。
そのため、年間の利益が20万円を超える場合(給与所得者の場合)は、ご自身で翌年に確定申告を行い、税金を納める必要があります。
NISA口座で運用していた場合は非課税
ウェルスナビの「おまかせNISA」を利用している場合、NISA口座内の運用で得た利益は非課税です。したがって、NISA口座から出金する場合は、利益に税金はかかりません。
DeTAX(税負担最適化)機能のメリットと、出金による影響
ウェルスナビには、税金の負担を自動で最適化してくれる「DeTAX」という機能があります。これは、含み損が出ている銘柄を一度売却して損失を確定させ、すぐに買い戻すことで、その年に発生した利益と相殺し、税金の支払いを翌年以降に繰り延べる(先送りする)効果がある機能です。
出金を行うと、このDeTAXによる税負担の繰り延べ効果が薄れたり、解消されたりする可能性がある点も覚えておきましょう。
第4章:ウェルスナビを出金するベストなタイミングは?
「結局、いつ出金するのが一番良いの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。これには唯一の正解はありませんが、いくつかの考え方をご紹介します。
1. 利益確定のタイミング
ご自身で「〇〇円の利益が出たら出金する」といった目標金額を設定し、それを達成したタイミングで出金する方法です。目標を明確にすることで、感情的な判断を避けやすくなります。
2. ライフイベントに合わせる
結婚、住宅購入、子供の教育資金など、まとまった資金が必要になるライフイベントに合わせて出金するのも、非常に合理的なタイミングです。資産運用は、あくまで人生を豊かにするための手段です。必要な時にためらわずに使うことも大切です。
3. 相場下落時に慌てて売らない(狼狽売りへの警鐘)
最も避けるべきなのが、相場が下落した際に「これ以上損をしたくない」と慌てて出金してしまう「狼狽(ろうばい)売り」です。価格が下がっている時に売却すると、損失を確定させてしまいます。
むしろ、価格が下がっている時は、同じ金額でより多くの口数を購入できる「買い増し」のチャンスでもあります。長期的な視点を持ち、市場の短期的な動きに惑わされないようにしましょう。
第5章:ウェルスナビの出金に関するよくある質問(Q&A)
Q1. 出金依頼のキャンセルはできますか?
A1. 平日の20時頃に出金処理が確定する前であれば、キャンセルが可能です。アプリの「取引履歴」から手続きを行ってください。
Q2. 最低出金額はいくらですか?
A2. 1万円以上1円単位で出金できます。
Q3. 出金後のウェルスナビの運用はどうなりますか?
A3. 一部出金の場合、残った資産で運用は継続されます。ただし、出金額によっては、最適なポートフォリオを維持するためのリバランス(資産配分の調整)が行われます。
Q4. 全額出金して解約(退会)するにはどうすればいいですか?
A4. まず「全額出金」の手続きを行います。出金が完了し、口座残高が0円になった後、別途「口座解約」の手続きを行う必要があります。
第6章:ウェルスナビの次を考える|他の資産運用も検討しよう
ウェルスナビからの出金を機に、今後の資産運用について改めて考えてみるのも良い機会です。
ウェルスナビを続けるという選択肢
もちろん、一部を出金した後も、ウェルスナビで積立投資を継続するのは非常に有効な選択肢です。手間をかけずに世界水準の資産運用を続けられるメリットは大きいでしょう。
他のロボアドバイザーも比較検討してみる
近年、ウェルスナビ以外にも様々な特徴を持ったロボアドバイザーが登場しています。例えば、手数料の安さを重視するなら「SBIラップ」、AIによる積極的な利益追求を目指すなら「ROBOPRO」なども人気です。ご自身の投資スタイルに合ったサービスを探してみるのも面白いかもしれません。
まとめ:ウェルスナビの出金は計画的に
今回は、ウェルスナビの出金に関する手順や注意点を詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 出金方法: 「一部出金」と「全額出金」の2種類。
- 日数: 振込までには原則3営業日以上かかる。
- 手数料: 無料。ただし全額出金時は当月分の運用手数料が発生。
- 税金: 「特定口座(源泉徴収あり)」なら確定申告不要。利益に約20%課税。
- デメリット: 長期割がリセットされる、出金依頼時と入金額が異なる可能性がある。
ウェルスナビは非常に優れた資産運用サービスですが、出口戦略、つまり「いつ、どのように出金するか」を理解しておくことは、賢く資産を形成していく上で非常に重要です。
本記事で得た知識をもとに、ご自身のライフプランに合わせた最適なタイミングで、計画的に出金を行いましょう。