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ESG投資とは?~ESG投資手法、日本のESGの歴史をわかりやすく解説~

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どうも。メガバンカーのくれです。今回は、トレンドであるESG投資について解説します。はっきり言って日本は環境問題に対する意識が非常に低いです。ESG投資やSDGsを理解していないことは、社会人として世界に「遅れ」をとります。必ず知識としてビジネスソーンで使えるようになりましょう。

ESGは何の略?

  • E:環境(Environment)
  • S:社会(Social)
  • G:ガバナンス(Governance)

従来の投資家は、財務情報だけを基に投資決定をしていましたが、今日では、ESGを意識した会社に投資をする傾向があります。

ESGやSDGsを重要な指標としてポートフォリオを組むファンドも生まれてきており、資金調達する側の企業も避けることができないテーマとなってきています。

経産省の「ESG投資に関する運用機関向けアンケート調査」によると、

運用機関(48社、運用総額約3,988兆円)のうち、95%以上がESG情報を投資判断に活用している。

衝撃的な数字ではないですか??つまり、個人が投資を行う上でも、ESGへの取り組みを企業評価の一つに加えるべきということです。ESGへの取り組み状況で株価が大きく変動する世界になるのです。

ESG投資は年々増加傾向にあります。

引用:Global Sustainable Investment Review 2018を基に「くれ」が作成。

ESG投資の歴史

やや細かい歴史なのでざっくり覚えましょう。
特に覚えておくべき歴史は2006年の「PRI」の提唱です。

PRI(責任投資原則)とは?

責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)とは、国際連合が2006年に公表し、加盟する機関投資家等が投資ポートフォリオの基本課題への取り組みについて署名した一連の投資原則。

2020年4月27日時点で、世界では3,054社、日本では、82社が署名。

日本はたったの82社しか署名していないんですね。
そのうち、アセットオーナーが23社、運用期間が49社です。

PRIの6つの原則
  1. ESGの課題を投資分析と意思決定プロセスに組み込むこと
  2. 活動的な株式所有者になり、株式の所有方針と所有慣習にESGの課題を組み込むこと
  3. 投資対象の主体にESGの課題の適切な開示を求めること
  4. 資産運用業界の中で、当原則が受け入れられ実行されることを促進すること
  5. 当原則の実行する際の効果を高めるために協働すること
  6. 当原則の実行に関して、活動や進捗の状況を報告すること
年代イベント
1920米国メソジスト派教会が酒、 タバコやギャンブルなど、教義に反する業種・銘柄を投資対象から除外
1928フィリップ・キャレーにより米国で最初のオープ ン型投資信託の一つである「Pioneer Fund」が設立され、「罪ある株(Sin stock)」を除外する ネガティブ・スクリーニング開始。
1969ベトナム戦争で使われたナパーム弾を製造しているダウケミカル社に対して、ナパーム弾の製造中止を求める株主提案が行われる
1992地球サミット
1994英国のコンサルティング会社サステナビリティ社のジョン・エルキントンは、トリプルボトムラインの概念を提唱。企業活動を経済側面だ けで測るのではなく、環境側面や社会側面も加味した3つの側面から評価することが有効と主張
1999日本に初めて環境側面の評価を考慮したエコファンドが登場
2006国連による責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)提唱。アナン国連事務総長が機関投資家に向けて、投資の意思決定プロセスにESG要因を反映する意義を主張
2009持続可能な証券取引所イニシアティブ
2012持続可能な保険原則
2014日本版スチュワードシップコード
2015パリ協定(温室効果ガスの排出について、2020年以降の各国の取り組みを定めたルール)
2015GPIFのPRI署名
2015コーポレートガバナンスコード
2015国連持続可能な開発サミットにてSDGs採択
2016SDGs推進本部設置
2017GPIFがESG指数運用開始
2017気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク設立
2017経団連が企業行動憲章改訂
2017機構関連財務情報開示タスクフォース提言
2018未来投資戦略2018にSDGs織り込み
2019責任銀行原則

ESG投資の種類

サステイナブル投資を普及するための国際組織で、世界のESG投資の統計を集計しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)は、ESG投資の種類を7つに分類しています。

  1. ネガティブスクリーニング
  2. ポジティブスクリーニング
  3. 国際的規範に基づくスクリーニング
  4. ESGインテグレーション
  5. サステナビリティ・テーマ型投資
  6. インパクト投資
  7. 企業エンゲージメント

7つのうち、投資手法の違いがいまいちわからない、区分が曖昧な部分があります。ざっくりと理解しましょう。

ネガティブスクリーニング

一部の業界の株式や債券を投資対象から除外する投資手法。

除外される業界の例
  • アルコール
  • タバコ
  • ギャンブル
  • 武器製造(クラスター爆弾など)
  • 化石燃料の生産

ポジティブスクリーニング

従業員政策、環境保護、人権などの社会問題や環境問題でリーダーシップを発揮している企業に投資する投資手法。

投資対象の例
  • 再エネ系(太陽光発電、風力発電、水素燃料電池など)
  • 自然食品
  • 健康食品
  • リサイクル

国際的規範に基づくスクリーニング

国際的な規範に違反した企業を投資対象から除外する投資手法

国際的規範の例
  • 国際労働機関(ILO)が定める児童労働や強制労働などの規範
  • OECDが定める規範(OECD多国籍企業行動指針)
  • 国連機関が定める環境ルール違反(国連グローバルコンパクト10原則)

ESGインテグレーション

投資プロセスにESG要素を組み入れて投資判断をする投資手法

サステナビリティ・テーマ型投資

社会の持続可能性に関するテーマや資産への投資
サステイナブルのテーマ例
  • クリーンエネルギー
  • 持続可能な農業

インパクト投資

社会的・環境的な問題を解決していくための活動に対する投資
社会問題の例
  • 低所得者向けの住宅、医療、 金融、教育
  • 再生可能エネルギー供給や上下水道
  • 持続可能な農業などへの投資

インパクト投資は、あなたも簡単に始めることができます。ソーシャルレンディング という形で社会貢献、ESG投資を初めてみませんか?

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企業エンゲージメント

株主行動にESGの課題を組み入れる。

ESGの課題について議決権行使や株主提案、対話を通じて企業に働きかける。

株主の立場で、ESGに対して非積極的な会社を動かすという投資手法です。今までの6つとはかなり毛色が違いますよね。