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ROEについて現役銀行員がわかりやすく説明

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どうも現役メガバンカーのくれです。
「ROE」は株式投資を始めようと思っている人はもちろんのこと、社会人としても最低限知っておくべき財務指標です。難しくないのでこの記事を読んで理解しましょうね。

ROEとは?

ROEはReturn on Equityの略です。

自己資本利益率とも言います。

自己資本に対して、利益がどのくらいあるのか?

ということを示す財務指標です。

企業の収益性判断の指標として、また株式投資の指標として重要視されています。

ROEの計算式

ROE(%)=当期純利益÷自己資本

当期純利益は損益計算書に記載されています。

自己資本は貸借対照表に記載されています。

自己資本=純資産ー新株予約権ー少数株主持分

ROEを改善するためには?

ROEはこのように分解されます。

ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ

※売上高純利益率=当期純利益÷売上高

※総資産回転率=売上高÷総資産

※財務レバレッジ=総資産÷自己資本

分解できたら、あとは算数の問題です。
それぞれの数値を大きくするためにはどうすれば良いでしょうか?
少し立ち止まって考えてみてくださいね🎵

ROEはどのくらいが適正?

一般的には10%~20%程度でれば優良と言われています。

ランキングを見ると、高い企業は115%とかなり高いです。

ROEを分析する上で重要なのは、競合対比どのような数値になっているのかを見ることです。同じような業種ならROEがだいたい似ている数値になることが多いです。

引用:経済産業政策局2019年11月 事務局説明資料

日本はROEが米国と欧州に比べて低いです。

ちょっとした豆知識として覚えておくとどこかで役に立つかもしれませんよ。

ROEの問題点

企業の収益性を分析するツールとして非常に便利なROEですが、気をつけなければいけない点があります。

借入を増やすとROEが改善されてします。

借入を増やすことは一般的には「よくないこと」です。

財務の健全性の観点からも、無借金の方が優れている会社と言えます。

しかし、借入を増やすとROEが向上するのです。

借入を増やすことは一概に「悪」とは言えません。

資金効率を上げるために、借入をして運転資金に当てたり、余剰資金で新規投資をすれば売上の増加や企業価値の向上を望めます。レバレッジとは「テコ」を意味します。つまり、借入をすることで「テコの原理」で売上を伸ばすのです。

ROEはROAと一緒に分析することが大事

ROEが完全な財務指標ではないことは前項でご理解いただけたでしょうか?

財務分析をするときの基本ですが、一つの指標だけで分析するのは「危険」です。必ず複数の指標を比較しましょう。

ROEと一緒に分析される代表的な指標にROAがあります。

ROA=当期純利益÷総資産×100

ROAの計算式は、以下のように「負債」も含まれています。

※「総資産=純資産+負債」

ROA=当期純利益÷(純資産+負債)×100

ROAが高いほど効率的な経営ができている会社と言えます。

少ない資産で利益をたくさん稼いでいるということになるので。

ROAは負債が大きければ大きいほど数値が悪化します。

したがって、ROEが高いけどROAは低い会社は、負債をたくさん抱えていて財務上はリスクが高い。ROEが低くてROAが高い企業は「財務レバレッジ」を活用することができていない。と分析することが可能です。

ココは重要なポイントです。
何回も読んで理解しましょうね。